OK-bokujyoのブログ

VWについて国内ではあまり知られていない情報を提供します。

VW Tiguanのマイナーチェンジについて

2013年のTiguanにこれまで乗っていたが、歩道縁石に乗り上げて足回りをやられ、100万円を超える修理代の見積もりを受け取った。

そこで、その修理代を車の買い替えのための頭金として使い、Tiguanを買い替えた。

2021年5月12日にVW Tiguan のマイナーチェンジ車が発表されたが、新しい機能が、日本特有の地図データのガラパゴス化によって活用できないことと、欲しかった 4motionの2.0TDIモデルがラインアップとして入手できないことから、マイナーチェンジ前のTiguan 2.0TDI  4motionのデモ車を購入した。

以下に使えない新しい機能を含めてマイナーチェンジの概要を記載する。

大きな外見上の変更点は以下の5点

1) フロントグリルのデザイン変更 ブランドマーク及びボンネットのライン変更を含む

2) ヘッドライトの変更 デイライト機能の追加

3) テイルデザインの変更 ブランドマーク及びTiguanのロゴ位置の変更 テイルランプの形態と機能の変更を含む

4) アルミホイールのデザイン変更

5) リアのリフレクト盤及びマフラー調グリルのデザイン変更

マイナーチェンジ前のフロントグリルの水平ラインを基調とした精悍なイメージから、ふっくらとしたイメージ(どちらも主観的なもの)に変わった点は、あまり好きではないが、テイルのTiguanのロゴがセンターになったのはいい感じだ。また、新しいVWロゴマークの最初の印象はノペッとした感じで好きではなかったが、見慣れてくると新しさが感じられるので悪くはない。

ヘッドライトのLEDの数が増えたようであり、流れる光のウインカーには斬新性を感じるが、デイライトの点灯を除いて特に新しい機能がついたわけではない。

パワートレインは、これまでの1.4TSIガソリンターボ6速を1.5TSI7速にアップ。4Motionは、2.0TSIガソリンターボをTiguanRに載せているモデルのみであり、マイナーチェンジ前の2.0TDIディーゼルエンジンの4motionモデルはまだ売り出されていない。TiguanRの2.0TSIエンジンは320馬力 420Nmのトルクが売りではあるが、それ故に燃費は10.8km/lと、2.0TDIの17.2km/lを大きく下回っている。そういう意味では、まだラインナップが十分に揃っていないことから、人気のディーゼルエンジンモデルを期待している人にとっては買い時と言えるかどうかはわからない。

さてインテリア及び機能的な変更にはいろいろと気になるところがある。

新たな機能として追加され、かなり進化しているはずなのに、性能が十分に発揮されていないのはTravel Assist

スバルのアイサイトと同様に制限速度やカーブ、ランナバウト、交差点などに対応して車速を自動的に調整してくれる機能が付いたのだが、この機能を発揮するためには、ナビデータの中に、道路の制限速度やカーブのRの度合いなどのデータが必要である。そのRの度合いのデータに合わせて車速が自動調整されるという仕組みだからだ。また、Travel Assistのスピード調整をうまく機能させるために、該当セクションのRであることを確認するために、レーンキープアシストも進化したようで、Road Edge Recognition Systemによって草原と道路境界線が認識できるようになった。これによってTeslaのような複数車線で前後左右のクルマが認知できるようになったようである。
これに加えてアダプティブクルーズコントロール(ACC:自動追従システム)を適切に機能させるためには、Navigation systemとDynamic Road Sign Display (DRSD)の連動が必要となる。マイナーチェンジ前のACCはドライバーが設定した速度が制限速度となっていたが、predictive cruise controlのついたACCはナビ上の車の位置とGPSデータに基づいて、クルマがカーブ、ラウンドアバウト、交差点、制限速度のある場所や市街地に達する前にスピードを落とす。DRSDは正面のカメラで道路の制限速度を認知してスピードを調整する。郊外と市街地が明確に分かれているケースが多い欧米ではこの機能が役に立つ。

しかしながら、DRSDが日本のモデルには搭載されていないのか、Code outされて使えなくなっているだけなのか不明であるが(マイナーチェンジ前のデイライトがCode outされて使えなくなっていたことから同様の日本のガラパゴス規制によるCode  outと考えられる)、BMW  motorradのナビゲーションシステムも日本では使えなくなっており、新たな機能を使えなくしてしまうガラパゴス規制は撤廃してもらいたいものである。このような背景から、結果的に車速の調整ができないため、マイナーチェンジ前のTraffic Assistよりは進化しているものの機能的には大きな差はなく、静電容量センサーで、ステアリングに介入しなくてもよくなった程度になってしまったのは残念である。
このような日本特有の規制(VWの自主規制かも知れない)によって、新たな機能が十分に使えないことについては、ネガティブな情報なのでVWとしても詳細をカタログに記載できないためか、「渋滞から高速走行まで幅広くサポート、同一車線内全車速支援システム」とこれまでのTraffic Assistにあった条件である起動速度30km以上 作動速度0〜60km/hの制限が無くなった程度の記載しかできておらず、なんのための機能なのかの説明が曖昧になっている。

エアコンのコントロールパネルは、タッチパネルに変わり高級感は生み出したが、タッチする部分を間違えないように目視する必要があり、ダイヤル方式の方が安全に温度コントロールできることから、使い勝手が良いとは言えないかもしれない。

ハンドルのコントロールパネルもタッチセンサー式となり高級感は増したが、これも使い勝手はよくわからない。

eSIM内蔵によって、コネクテッドカーとしての位置付けとなったが、その内容はまだ確認できていない。日本では売られていないdata plugを注文したので、入手次第それを取り付けて出来ることについて確認してみたい。

なお、この情報は、Media InformationとしてVWが2019年2月にこれらの新たな仕組みを最初に導入したパサートのアップデートの際に公表したものである。

参照:The New Passat-Update Technology Workshop Hamburg /February 2019